【畜産農業】デリケートな豚を育てる、やりがいのある養豚の仕事

日本の食卓を支える養豚農家

日本の第一次産業、いわゆる農業分野において最も大きな割合を占めるのが畜産農業です。その中でも、食用の豚肉を生産するために豚を飼育する農家を養豚農家と呼びます。豚肉はとんかつや生姜焼きなど豚肉そのものとして食されるだけでなく、ソーセージやハムなどの加工物としても人気が高く、日本の家庭でもっとも食べられている食材の一つでしょう。その日本の食を支えている産業の一つである養豚農家の仕事ぶりは、その外見以上にデリケートな豚の生態同様、意外と知られていないかもしれません。

養豚には大きく分けて3つの経営があります。まず繁殖用または品種改良用に用いられる種豚を生産している種豚経営、そして繁殖用の雄と雌を両方飼育して交配させて生まれた子豚を市場に出荷する繁殖豚経営、最後に市場で子豚を仕入れて大きくなるまで肥育し、食用肉豚として出荷する肥育豚経営です。それぞれにおいて飼育方法が異なりますが、大きな企業では全ての工程を行う一貫経営も主流な経営です。

 

繊細な豚を育てる

豚はとてもデリケートな生き物で、豚舎が汚いとストレスを感じて病気になってしまいます。そのため、常にキレイで清潔な豚舎、衛生的な水、隙間風の入らない暖かな豚舎という条件が必要です。養豚農家の仕事はこの3つの条件に基づき、豚が病気にならないような衛生的な環境を毎日整えるため、給餌も工夫し、ワクチンを接種し、豚舎の高圧洗浄を行うことなどがメインの仕事と言えます。

また、繁殖に関しては、常日頃から雌豚の発情を見逃さないように観察し、最も適した時期に種付けを行い、分娩までを行う部分も養豚の基礎となる重要な仕事です。自然交配も人工授精も可能であり、一年中出産が可能な特徴を考え、より効率的な管理が重要です。

さらに、繁殖豚経営においては、雄同士だと争いが起こるためにグループで飼育しない配慮も必要ですが、肥育豚経営では6~7頭ごとにグループで育てられるなどの違いもあるという知識も必須です。安定した繁殖はもちろん、肉質や味についてもより高品質なおいしい豚肉を消費者に届けるための努力が、仕事のやりがいにもつながっています。

文書名:「農家になろう」
著者・発行者: 株式会社Life Lab
URL: https://www.sangyo.net/contents/industry/pig_farming.html
著者・発行者: 株式会社マイナビ
URL: https://agri.mynavi.jp/2020_08_30_129920/