【農業環境の変化による新たな可能性】女性の農業就業数増加について

これまでの農業における女性のかかわり

基本的に農業のイメージが力仕事であるからか、農業は男性の仕事というイメージがありますが、実際のところはどうでしょうか。家族経営で行っている農家ではお母さん、おばあさん、娘たちなどが従事してきましたが、農家に血縁関係のない女性が就業数に占める割合は高くありません。これまでの日本の農業のスタイルでは、できるだけ専門分野に特化して大規模に生産することが推奨されてきたので、確かに女性がメインで活躍できる役割というものは多くなかったかもしれません。

農業環境の変化で新たな可能性も

しかし、2010年前後からその農業の在り方そのものが変わってきたことで、女性にも活躍できる場は確実に増えてきました。農業就業人口で見ても46%は女性です。その大きな要因の一つが6次産業と呼ばれるスタイルが浸透してきたことです。ほんの数百アールの土地であっても、消費者ニーズを的確に捉えたニッチな農作物を生産し、農協などの既存の流通を介さないことで、少量であっても高単価で、かつ粗利率も高く販売できるようになりました。さらに、農産物をそのまま販売するだけではなく、2次加工したアイデア商品を開発したり、ネット販売の仕組みを構築して日本全国どころか海外にも直接販売を行ったり、新鮮な取れたての素材を売りにしたカフェやレストランを併設して観光客を誘致したりなど、女性ならではの消費者視点やアイデア、感性を取り入れたスタイルが浸透しつつあります。

農業サラリーマン

また、政府が農業への企業の参入障壁を下げてきていることもあり、大企業のみならず、中小企業も続々と農業分野への参入を増やしています。この傾向は農業分野における雇用を創出するため、いわゆる農業サラリーマンとして就業する道ができ、まだ経験はないけれども、大学などで農業を学んだ女性が就職する感覚で、農業従事者としてのキャリアをスタートさせることも可能になりました。今後は女性ならではの感性を生かし、農業の経営に携わる人材も増えていくと期待されています。

文書名:「農家になろう」
著者・発行者: 株式会社マイナビ
URL: https://www.sangyo.net/contents/myagri/nougyoujoshi.html
著者・発行者: 株式会社アグリメディア
URL: https://www.agri-navi.com/useful/14/2093