次世代農業家のsolamade 代表者の一問一答

今回は、未来の農業界を支える次世代農業家のsolamade 代表者である 塩川 東 が、農業に対する熱い思いや農業を志た経緯など一問一答形式で回答しています。

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<solamade代表に一問一答>

 

畑を継いだ理由を教えてください。

アウトドアと同じ、自然相手の仕事がしたかったからです。正直、自分が農業をするなんて、まったく考えていませんでした。この辺りは古くから農業が盛んで、うちも300年くらいの歴史がある農家です。でも父は会社勤めで、畑は祖父母が耕していました。
ぼくは将来、教師の道に進もうと考えて大学に進学しました。安定的な職に就きたかったんです。ところが大学生って時間があるじゃないですか。そこでアウトドアにはまりました。登山や釣り、キャンプ…海や山にいると気持ちがとても楽で、こういう気持ちのまま仕事がしたいなと考えるようになりました。人生の中で、仕事している時間ってすごく長いですからね。その時、ふと実家が畑をやっていることを思いだしたんです。
農業って自然と一体になってやる仕事だな。
それこそ自分がやりたいことじゃないか!
これはもうやるしかない!
いてもたってもいられなくなり、2年で大学をやめて農家を継ぐ決心をしました。両親にも祖父にも止められました (笑)。「せめて大学を卒業してから」と言われましたが、その2年間がもったいなくて、一刻も早く経験を積みたかったんです。閃いたらすぐ行動。1年目は朝早い生活リズムに慣れるだけで精一杯でした。現在、うちで栽培しているのは、白菜、キャベツ、ブロッコリー、レタスなどの葉物野菜。20歳で農業を始めて今24歳。始めた時に比べると、畑作面積も売上も、7倍くらいに増えています。
祖父から農業の手ほどきを受け、近隣の先輩たちからたくさんのことを学び、自分でも必死に勉強しました。農家を継ぐことを反対していた父も、休日は畑を手伝ってくれます。まだまだがんばりどころですが、毎日が本当に充実しています。

 

これまでの一番の失敗と成功を聞かせてください。

うわー、思いだしたくない(笑)。一番の失敗は、畑3反分(3,000㎡)の白菜を全滅させたことですね。農業を始めて2年目のことでした。まだまだ経験が足りなくて、農薬などの知識も不足していて、アブラムシにやられました。もうすぐ出荷というところまで成長した白菜を、自分でトラクターでかき回して土に返しました。涙も出ませんでした。あれだけがんばって種から育てた野菜を自分で潰す。呆然と作業していたことを、今でも覚えています。
嬉しかったことは、今年、1週間で1,000万円の売上を上げたことです。でも数字ではないんですよ。なんていうのかな、努力が結果に結びついた喜び。
5年ほど前、長雨の影響で葉物野菜が高騰したことがありました。うちの畑でもレタスが茶色く腐ってしまい売り物になりませんでした。ところが、ぼくをいろいろ指導してくれる先輩の畑は、レタスが元気に育っていて普段の5~6倍の価格で取り引きされていました。これはどういうことだろう。天候不順はどこの農家も一緒なので、絶対に偶然ということはないと思い、その先輩からたくさんのことを学びました。
もちろん自分でも毎年試行錯誤を重ね、結局、農業というのは半部以上が「土作り」だと知りました。天気は変えられません。でも土は変えることができる。土の中で起きていることは目に見えないので、想像するしかない。「あの肥料を与えて、こういう作業をしたから、土の中の環境はきっとこうなっているはずだ」。自分が必死になって考えた結果がビンゴになって、長雨と夏の高温の影響で多くの農家が苦戦している中、レタスを出荷することができました。これまでがんばってきたことは間違いではなかった。気持ちよかったですね。

 

農業の楽しさって何ですか?

結局、自然を相手にしているということだと思います。毎年毎年、毎日毎日、天候は違います。暑い夏、長雨の年、雪が多い年…相手が、人間がコントロールすることのできない存在だから飽きないんですね。
例えばこれが工場で、人工的な光や肥料を与えて野菜を育てたとしても、ぼくは、それが楽しそうな仕事とは思えません。それは農業ではなくて、工業です。農業は、太陽があって、土があって、雨が降って、虫がいて、たくさんの要素があるから、考える楽しさが生まれるのだと思います。
この言い方は誤解されるかもしれませんが、ぼくにとって野菜作りはゲームみたいなものなのです。敵(味方でもありますが)は自然です。長雨や日照不足などの敵の攻撃をどうかわして、反撃するのか。野菜を育て上げて出荷までこぎつけるのか。その方法は何百通りあるいはそれ以上あるはずです。しかも農家一軒一軒が自分たちなりのやり方で努力している。こういう気象条件の時は、肥料はこれを使ったらどうだろう。水の管理を少し変えてみよう。選択肢がたくさんあって、毎年、新しいことを試しています。
自分が習得した知識や経験、試行錯誤した結果が、目の前の野菜たちに反映される。目に見える形で現れる。成功例の所でもお話ししたように、一生懸命努力した結果が収入という形でも返ってくる。達成感をものすごく感じることができるのが、農業の醍醐味だと思っています。

 

将来の目標を教えてください。

最終的な目標は、農業のイメージを変えることです。なりたい職業ベスト10の中に「農業」が入るようにしたいと考えています。
近隣の先輩たちと一緒に、日本中のさまざまな農家を見て回ったのですが、すごい農家はほんとうにすごいんです。1,000万円以上する大型のトラクターが何台も並んでいて、その横にポルシェやベンツ、ランボルギーニなどの高級車があったりします。「ここ農家ですか?」って聞きたくなるような立派なオフィスや倉庫を構えている人もいます。農業で成功するとものすごいんだと最初は驚きましたが、他の人ができるのなら自分にもできるに違いないと思うようになり、今は経営規模を拡大している途上です。
近々の目標としては、2021年の4月に法人化したいと考えています。それ以外の目標は具体的には決めていません。今年だけでも、倉庫の新築、トラクターや作業機などの導入に数千万円をかけました。畑もまだまだ広げていく予定です。まず事業の基盤を作り、それから会社としての目標を決めていきたいと思っています。
ぼくは、大勢の若い人たちに農家になって欲しいと思っているわけではありません。自分で起農するのではなく、法人化された農家に若い人が就職する。そういう環境ができたらいいなと考えています。IT系に就職するのと同じような感覚で、農業系に就職するという選択肢がある。
大きな農家が法人化して福利厚生などを整えることで、従業員の社会的地位もしっかりしたものにすることができると思います。

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