農業への就業を希望している49歳以下の男女の数は増加し続けています。コロナ禍にあって都会で働くという価値観が揺らいだ人もいるでしょうし、農業の在り方が変わったという情報に接し、おいしくて安全な農作物を自分でも作れるかもという夢や期待を持った人もいるかもしれません。そんな農業就業希望者が真っ先に不安に思うのは、未経験でも大丈夫だろうか?ということでしょう。農業に従事する場合の、法人に雇用されるケースと自分で起業するケースの2種類について、それぞれ経験が必要かどうかを考えます。
雇用という形なら農業未経験でも大丈夫
政府が企業や個人の農業参入を奨励していることから、新たな参入数は毎年増加傾向にあります。そうした企業または農家に雇用される形で農業に従事する場合は、未経験でも大丈夫なことが多いでしょう。なぜなら、採用する側が未経験者を採用して育てることを想定した上で計画しているからです。オフィスでの研修やOJTなどによる育成と変わらない、農業の現場にカスタマイズされた生産技術を教えるOJTが用意されているので、未経験者でもやる気さえあれば必須の知識や経験を得られることでしょう。採用に関して法人や農家が唯一気にかけるのは、農業は人材の定着率がただでさえ低いため、すぐに辞めたりしないだろうかという危惧についてです。つまり、未経験かどうかは全くの不問であり、農業に良いイメージばかりを持ちすぎて現実とのギャップに悩まないか、仕事しての農業を楽しめるかどうかなど、採用側の心配材料を解消できるような面接ができれば就業の可能性は高まるでしょう。
起業するなら
一方、自ら農業で起業する場合は、全くの未経験では始められないでしょう。農業を始めるに当たって特別な資格もなく、政府も参入障壁を下げていることから、始めようと思えば始められるのは事実ですが、農業の特性上、初期費用が高額になる上、利益をあげるまでにはとても時間がかかります。言い換えればとてもリスクが高い起業となるため、手探りで始める余裕は保てないのがその理由です。まずは修行も兼ねて、経験を積んでからの起業が安全です。(2020年現在)
文書名:「農家になろう」
著者・発行者: 株式会社Life Lab
URL: https://www.sangyo.net/contents/myagri/license-agriwork.html