世界に誇る日本の肉牛農家
今も昔も、日本で牛肉は欠かせない食材の一つです。食用牛肉の生産元は、畜産農業の中では肉牛農家と呼ばれています。牛を育てる農家を一まとめに肉牛農家と総称しますが、次々に繁殖させた子牛を育てて販売するサイクルを回している繁殖牛経営、調達した子牛を大きく育てて出荷する肥育牛経営、その両方のプロセスを持つ一巻経営の3種類に分けられます。
繁殖牛経営において生まれた子牛は生後6~12カ月まで育てられ、肥育牛経営において生後2年半~3年頃まで育てられた後、出荷されます。その後はさまざまな加工工程を経て、スーパーやお肉屋さんで売られて消費者の元へ届きます。
近年、牛肉の消費量は世界規模で見るとまさに急伸しており、今後の需給バランスが崩れるのではないかと懸念されるほど需要が高まっています。ここ数年の日本国内の牛肉生産量は30万トンを超えており、自給率は40%前後です。つまり、外国からの輸入の方が多いということです。しかし、特に高級和牛肉はいわゆるジャパンクオリティとして、世界の富裕層を中心に圧倒的な人気を博しています。もはや「Wagyu」という言葉はそのまま英語になっているほどです。
牛の飼育は分業制
肉牛農家で具体的に行われる仕事内容についてですが、まず繁殖牛経営ではとにかく安定的に繁殖させることが経営の基幹です。相手は生き物ですので、常に決まった手順や数値に当てはまってくれるとは限らないところが、大変でもあり、やりがいもあるポイントです。いったん発情を見逃してしますと、次のお産までより時間がかかってしまい、経営効率も悪化します。そのためには毎日きちんと観察することを基本に、獣医との定期的な報・連・相やテクノロジーの活用など、いろいろな工夫も必要です。
そして、繁殖させた子牛を大切に育てる工程も非常に重要です。出荷の際の健康状態がそのまま競りの値段に影響しますので、餌の配合や運動などさまざまなことに気を配らなくてはなりません。また、牛をさらに大きく育てる肥育牛経営では、毎日給餌するための餌の生産や管理、堆肥として活用するためのふん尿の処理なども重要な仕事です。
文書名:「農家になろう」
著者・発行者: 株式会社Life Lab
URL: https://www.sangyo.net/contents/industry/beef_cattle.html
著者・発行者: アグリコネクト株式会社
URL: https://agripick.com/2159