1. 果樹生産の特徴とは?
耕種農業の果樹生産は、年1度の収穫に向けて生産する仕事です。現在、日本で収穫されている果物はおよそ100種類以上あり、季節ごとに旬の果物を収穫し、消費者へ届けます。基本的な仕事は、果樹それぞれの性質を理解し、十分に栄養を与えながら病気や害虫から守ることです。毎日自然環境が変化するので、年間を通してほぼ毎日の作業が必要です。一般的に果物の収穫後は、流通を通して消費者へ届けます。果物の流通の中には「市場流通」と「市場外流通」があり、近年ではインターネットから直接購入ができる市場外流通も主流になってきました。果物のブランド化も進んでおり、アジア諸国の富裕層に向けた輸入販売の取り組みも活発化しています。また、果樹生産は収穫した果物を加工品用として販売する生産者も少なくありません。
2.果樹生産の仕事内容とは?
「花摘み」は、りんごやももを育てる際に使用する技術で花が咲く時期に行う作業です。自家受粉を行うために、一番始めに咲いた花のみ残し、他の花を摘み取ります。自家受粉をしない果物を育てる場合は、人の手によって受粉を行い、機械や昆虫を使うケースがあります。「剪定作業」は果樹の日当たりや風通りを良くし、栄養を十分に与えられるように枝を切る作業です。剪定を行うタイミングは発芽前の冬や春に行うことが多く、形を整えるために夏場に行うケースもあります。また、剪定の際にはのこぎりや剪定バサミを使用して作業をすることが多く、丁寧に1本ずつ剪定をするので根気が必要になりますが、収穫量や質が影響する大切な作業です。果樹生産は、1年に1回の収穫のために黙々と作業をこなす根気が必要になります。天候の影響などによっては技術習得までに時間がかかる可能性も考えられ、独立など目指す際には研修期間が長くなるでしょう。しかし、果樹の栽培技術や花摘みや受粉などの果樹生産ならでは細かい経験を増やすことができるため、スキルを身につけることが可能でしょう。
文書名:「農家になろう」
著者・発行者: 株式会社Life Lab
URL: https://www.sangyo.net/contents/industry/fruit_farming.html